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2019年度入学式 学長式辞
2019-04-08
カテゴリ:大学総合
新入生宣誓
新入生宣誓
学長 有澤恒夫
学長 有澤恒夫
 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。
 心からお祝いを申し上げます。
 ご列席の保護者の皆様には、心からお慶びを申し上げます。
 苫小牧市の岩倉市長をはじめご来賓の方々には厚く御礼を申し上げます。
 苫小牧駒澤大学の教職員を代表して、一言申し上げます。
 
 皆さんが入学された苫小牧駒澤大学は、苫小牧駒沢短期大学を前身とし、20年程前の1998年に苫小牧市をはじめ地域(1市4町)のご支援を受けた「公私協力」の4年制大学として開学しました。
 当初は、国際文化学部国際文化学科からスタートし、その後、国際コミュニケーション学科設置等教育組織の改変を経て参りました。1年前から、学校法人京都育英館が経営する大学として、現在は国際文化学部キャリア創造学科1学部1学科の構成となっています。
 この間、国内の大学を取り巻く環境は大きく変わりました。
その変化は今後一層激しいものになると言われています。
少子化、グローバル化の進展、海外留学生の増加等はすでに起こっている変化です。
 そして現在は、「第4次産業革命」といわれる大きな社会の変革に向き合っています。「第4次産業革命」とは、ICT・AI(情報化・人工知能)がもたらす大きな変化です。これは、社会が求める人材ニーズにも大きな影響をもたらすでしょう。
 そのことは、取りも直さず大学がどんな教育をして学生を社会に送り出すべきかと言う、大学自体に突きつけられた課題でもあります。
 
 今まさに、本当の意味で「学歴社会」が訪れようとしています。ここで言う「学歴」とは、単に受験偏差値高い低いとか、有名かどうかということではありません。「真の学び」と言い換えてもいいでしょう。
 これからは、「真の学び」を身につけたかどうかが問われる時代になるのです。
 
 そう遠くない将来、私たちの仕事の半分近くが、AIやロボットに置き換わるとする予測があります。モノづくりの生産労働では、人間に代わる機械やロボットの活用はもう珍しいことではありません。
 皆さんも聞いたことがあると思いますが、難しいと思われていた銀行や地方自治体の仕事でもR. P .O(ロボティク・スプロセス・オートメーション)の導入によって今までよりも相当少ない人数でやれるようになると、度々報道されています。
 しかし、どんなにAIが進出しても人間にしかできないことがあるでしょう。それは何なのかを、社会は模索していくことになると思います。
 ただ、少なくとも言えることは、人間しかできない仕事に就くためには、学ぶことが一層大切になるということです。
大学は、皆さんが働きがいのある仕事に就くために、学ぶための場所だと考えてください。
 
 本学も変化して参ります。2年後には大学名称を変更します。名前だけでなく、学部や学科、教育カリキュラムも見直す計画です。
 本学の進むべき方向は明らかです。
 学生の皆さん一人ひとりに、変化の時代を生き抜く力をつけてもらうための大学教育を追求することです。
 変化の時代に求められるのは、勉強で言えば全科目を満遍なくこなす能力ではありません。優等生になることではないと思います。
 興味を持ったことに打ち込むこと、好奇心を持つこと、人とは違うことをすることです。
 「変わっている」とか「異端児」と呼ばれることを恐れてはいけません。
 
 私たちは、自分の限界やできないこと、弱みについてはよく議論しますが、できることや強みについてもっと目を向けるべきです。
 自分の弱みに焦点を当てている時、自分を向上させることはできません。
 せいぜい、平均点程度に止まります。しかし、自分の強みに焦点を当てれば、その強みをますます向上させられます。強みや才能を発揮させることに集中してください。弱みについてはそれをコントロールできるよう心に留めてください。
 本学は、皆さんの得意なこと、長所を伸ばし、一芸に秀でた人物になることを目指した教育を行います。
 
 心理学者の波多野誼余夫先生と稲垣佳世子先生は、「無気力の心理学」(中公新書)という本で次のように著しています。
一人の人間が熟達(熟練して上達すること)者になるためにはとして、
「一芸に秀でようと思ったら、そのために5千ないし1万時間を使わなければならない」、
「ひとつの分野に5千ないし1万時間の時間と努力を注ぎこめば、まちがいなく熟達者になることができる」、
と言われました。
 5千時間と1万時間では、幅がありますが、仮に1日8時間努力を注げば、
 5千時間の場合、625日=1年8ヶ月かかり、
 1万時間の場合、1250日=3年5ヶ月かかります。
一つのことに粘り強く努力を重ねることができれば、誰でも熟達レベルに到達できるということです。
 
 ここで、皆さんがよく知っているアスリートの話をしましょう。
 先日、メジャーリーグを引退表明した野球選手のイチローです。
 彼は、プロ野球のオリックスから、2000年に米国大リーグのシアトルマリナーズに入団しました。その後の活躍は、皆さんご存知の通りです。
 マリナーズ→ヤンキース→マーリンズ→マリナーズと球団は変わりましたが、10年連続200本安打達成等輝かしい功績を残しました。
 イチローは、数々の名言を残しています。
 数ある中でも、2004年に、262本安打でメジャー年間最多安打記録を更新したときの発言が多くの人の心に残っています。
 「小さいことを重ねることが、とんでもないところに行く、ただ一つの道」という彼の言葉です。
 イチローは、小学校の時から小学校卒業時の文集には将来のことを次のように書いています。
  • 小さい頃野球が好きになり、ずっと続けていきたいと思うようになった
  • 夢は、一流のプロ野球の選手になること
  • 夕食前に3時間、後にバッティングセンターで2時間練習していた
  • 正月と体調が良くないとき以外はずっと続けていた
 
 イチローは、「あの体でプロは無理」と言われましたが、毎日コツコツと練習を続け、高校卒業時に、希望した中日とライオンズではありませんでしたが、オリックスにドラフト4位指名されプロ野球選手になりました。
 しかし、1軍定着は難しかった。泣いて悔しがった時もあった。
 あきらめなかった。(その時に、仰木監督との出会いもありました。)
 その後、打率3割7分で首位打者、パリーグ1位となりました。
 
 イチローの「小さいことを重ねることが、とんでもないところに行く、ただ一つの道」と言う言葉は、諦めずに努力を重ね続けたイチロー自身から滲み出した言葉です。だから人の心を打つのだと思います。
 
 もう一つ、私自身のことで恐縮ですが、30歳代の頃、自分の仕事能力が足りないことに悩んでいました。難しい仕事にあたっても 力不足で満足すべき結果を出せないことに悩み続けたことがありました。
 その時に出会ったのが、先ほど紹介した波多野先生・稲垣先生の言葉だったのです。
 粘り強く努力すれば、誰でもまちがいなく熟達できるという言葉に励まされたことは生涯忘れられないことです。
 
 入学式にあたり、新入生の皆さんにこれらの言葉を紹介しました。
 
 最後に皆さん、これからの大学生活で、どうやって自分の得意なこと、長所を伸ばしたらよいかをじっくり考えてください。
 
 やがて皆さん一人ひとりが一芸に秀でた人物になることを、私たちは大いに期待しています。
 
2019年4月7日
 
学校法人京都育英館 苫小牧駒澤大学学長
有澤 恒夫
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